数式モード

ここでは LaTeX で数式を使用するときに使用する基本的なコマンドを紹介します.


インライン数式モード

LaTeX で文章中に数式を埋め込むには,以下の 3 種類の書き方があります.

  1. 数式を$ $で囲む
  2. 数式を\( \)で囲む
  3. 数式を\begin{math} \end{math}で囲む

上記のいずれの方法を使用しても出力LaTeXサンプルの実行結果に差はありません.
以下に数式を$ $で囲むことで文章中に数式を埋め込むサンプルを示します.

LaTeXサンプル

$ガウスの消去法により,A_x = b の解を求めてみましょう.$

LaTeXサンプルの実行結果

ガウスの消去法により,A_x = b の解を求めてみましょう.

番号付きディスプレイ数式モード

LaTeX では数式を別行にセンタリングし,右端に数式番号を振って出力することができます.これを行うには以下の 2 つの方法があります.

  1. equation 環境を使用する
  2. eqnarray 環境を使用する

equation 環境

単一行の数式を別行立てで出力したい場合は,equation 環境を使用します.

LaTeXサンプル

\begin{equation}
  x^2 - 6x + 1 = 0
\end{equation}

LaTeXサンプルの実行結果

x^2 - 6x + 1 = 0

eqnarray 環境

数式が複数行にわたるときに位置を合わせたい場合は,eqnarray 環境を使用します.合わせたい位置を& &で囲むことにより任意の位置で数式を合わせることができます.

LaTeXサンプル

\begin{eqnarray}
  2x_1 + x_2 & = & 5 \\
  2x_2 & = & 2
\end{eqnarray}

LaTeXサンプルの実行結果

2x_1 + x_2 & = & 5 \\ 2x_2 & = & 2

一部数式番号を表示しない

equation 環境や eqnarray 環境を使用すると,自動的に数式番号が振られます. 一部数式番号を表示したくない場合は,数式の後ろに \nonumber をつけます.

LaTeXサンプル

\begin{eqnarray}
  2x_1 + x_2 & = & 5 \nonumber \\
  2x_2 & = & 2
\end{eqnarray}

LaTeXサンプルの実行結果

2x_1 + x_2 & = & 5 \nonumber \\ 2x_2 & = & 2

数式番号の初期化

数式番号の始まる数を変えるためには,\setcounter を使用します.

LaTeXサンプル

\begin{equation}
  x^2 - 6x + 1 = 0
\end{equation}

\setcounter{equation}{0}

\begin{eqnarray}
  2x_1 + x_2 & = & 5 \\
  2x_2 & = & 2
\end{eqnarray}

LaTeXサンプルの実行結果

\setcounter{equation}{0}

ディスプレイ数式モード

数式番号を振らずに単一行の数式を別行立てで出力したい場合は,以下の 3 種類の書き方があります.

  1. 数式を$$ $$で囲む
  2. \[ \]で数式を囲む
  3. 数式を\begin{displaymath} \end{displaymath}で囲む

上記のいずれの方法を使用しても出力LaTeXサンプルの実行結果に差はありません.
以下に数式を\[ \]で囲むことで数式を別行に出力するサンプルを示します.

LaTeXサンプル

\[
  x^2 - 6x + 1 = 0
\]

LaTeXサンプルの実行結果

x^2 - 6x + 1 = 0

数式が複数行にわたるときに位置を合わせたい場合は,eqnarray* 環境を使用します.合わせたい位置を& &で囲むことにより任意の位置で数式を合わせることができます.

LaTeXサンプル

\begin{eqnarray*}
  2x_1 + x_2 & = & 5 \\
  2x_2 & = & 2
\end{eqnarray*}

LaTeXサンプルの実行結果

2x_1 + x_2 & = & 5 \\ 2x_2 & = & 2

LaTeX使いの必読書

LaTeXでレポートや論文を書く際に読んだ本です.よかったら参考にしてみてください.

[改訂第9版]LaTeX美文書作成入門

LaTeXの参考書としては最高の書籍です.
著者が日本におけるTeXの第一人者である奥村先生ということもあり,非常に信頼性と質が高く,LaTeXのノウハウが詰まっています.